家づくりの未来・半世紀の経緯・福岡市東区・注文住宅会社
半世紀の家づくりから、これからの家づくりを考える
1970年代 (1968年・清武建設・創業)
外壁面は、杉板等が多かった時代より、面材に変わり、屋外の窓も木製だった時代より、アルミサッシに変わり、隙間風が急激に少なくなりました。 しかし、「エアコン」の普及率が少なく、窓を開けて、風を入れ、定期的な換気を行う習慣が多かった時代でした。
また、表面に木目の紙を貼った家具ではなく、本物の木製家具が多かった為に、「シックハウス」という、合板を形成する接着剤に添加されるホルマリン(気化するとホルムアルデヒドと言います。)等が原因と考えられる健康被害のケースは少なかったと思います。
下水道、浄化槽の整備が整ってなく、生活排水を河川へ放流する地域が多く、トイレも汲み取りが多かった。
1990年代
「エアコン」が普及し、窓を開けなくなり、安価な合板の家具等が増え、「シックハウス」が、広く社会問題となり、顕在化しました。
2003年~ (清武建設・法人化)
建築基準法で、「シックハウス」対策として、2時間に1回、室内の空気が入れ替わる事を計算し、窓を開けずに、24時間、自動的に換気を行い、
合板を形成する接着剤に添加されるホルマリン(気化するとホルムアルデヒドと言います。)等を減らした建材を使用する事が義務化されました。
合板を形成する接着剤が腐れると、接着力が低下し、合板の強度が落ちる為に、「接着剤の防腐剤」という効果を求める為のホルマリン添加でしたが、ホルマリンの減少で、医療で使われる「消毒薬」としての効果も、結果的に減少し、「カビ」、「ダニ」等の微生物によるアレルギーが増える一因になる。(現状、アレルギーは、杉花粉が最も多い。)
2017年
約半世紀、家づくりの概念が急激に変化し、住宅業界は、試行錯誤を繰り返し、法改正も重ねられ、様々な問題を乗り越えてきました。
その過程における現状、顕在化されている、「カビ」、「ダニ」等の微生物によるアレルギー等の問題の解決方法の一つは、湿度をコントロールする事です。特に、湿度の高い梅雨の時期は、室内に「カビ」が発生しやすいです。 室内で快適な湿度は40~60%とされています。40%以下になると目や肌、のどの乾燥を感じ、インフルエンザウイルスが活動しやすくなります。反対に60%以上になると、「カビ」、「ダニ」が発生するようになります。
また、24時間換気が義務化され、室内空気が入れ替わっている為の安心感で、窓を開閉する事が少なくなり、「ダニ」の発生原因の一つは、「ほこり」ですが、24時間換気システムでの、「ほこり」の排出は、緩やかな空気移動の為、排出量が少なく、コマめな清掃及び、天気予報で、PM2.5が少ない日には窓を開けて風を通し、「ほこり」を室内より排出する事が必要です。
24時間換気システムで注意すべき点ですが、天井等に長い給排気用の配管(ダクト)がある場合、新築後数年経過し、その中に溜まった、「ほこり」から「カビ」が発生し、その「ほこり」も「カビ」も一緒に各部屋に供給されることになり、24時間換気システムを動かすと咳が出たり、喘息になったりするケースもあるようです。その為、清武建設では、配管(ダクト)なしで、直接外気を給気し、直接内気を排出する簡易的な24時間換気システムを採用するケースが多いです。
家電製品が豊富になり、これからもIOT家電等の便利な製品が増える現状、照明器具、コンセントの数が増加し、一件の住宅の「壁」、「天井」の内部の電気配線の総長さは、現状で平均1000m以上 (25年前は2階建ての住居1軒あたりで150m程度で、約7倍です。) になり、その電気配線からの「放電」の影響で、まだ、社会的には認識不足ですが、自然界にない放電量の空間で生活している事実を考えると、「何も問題がないと考える事」が問題だと思います。
(ただし、放電される発生源の位置より、70cm程度離れると、急激に影響が少なくなります。しかし、「ベット」、「机」等は、壁に接して設置する事が多いと思いますが、その場合、壁内の電気配線からの放電の影響が懸念されます。清武建設では、放電量を減らす取り組みを近年開始し、その対処方法は、中古住宅でも可能です。)
2017年4月 ガス全面自由化。九州電力では、電気とガスをセットでご契約すると、今のガス料金より安くなる仕組みを検討中。
西部ガスは、ガス使用量が多い人ほど安くなる仕組みを検討中。
ローソンはフロン未使用冷蔵庫を2017年度までに2700店の倍増。味の元は国内の全冷凍食品でノンフロン設備に切り替える。2019年からフロン生産規制が世界で厳しくなる。家庭用冷蔵庫、エアコンを同じ。
FRB(米連邦準備理事会・米中央銀行)の利上げでドル高になり、その影響もあっての円安で、多くの企業収益を改善し、日本株高、デフレ脱却を後押しするが、原材料の輸入コストが上がり、住宅用建材の取引価格が、上昇する事も視野に入れる必要がある。
2017年4月より、様々な保険料が上がる。
私たちが支払う保険料の一部を保険会社が債券(国債)や株式、不動産などに投資して運用していますが、マイナス金利政策による影響で、国債を保有すると保険会社の運用がマイナスになり、その影響で、2017年4月に、保険料のアップ、廃止される保険商品が増える状況のようです。その中で、特に影響が大きいのは、貯蓄性のある保険(終身保険、個人年金保険、学資保険等)です。それらの保険は、見直すと、条件が悪くなるようです。
また、自然災害が増え、上記理由での運用が厳しくなる要因も加わり、火災保険、地震保険の保険料も上がるようです。
2019年10月
先送りが続き、未定ですが、消費税が10%になるかもしれません。
2020年~2030年
産業用ロボットや、あらゆるモノがネットにつながる「IOT」が普及し、人件費がかからない生産が可能になり、低賃金の国に生産地を移す渡り鳥生産が減少。製造拠点が国内へ戻り始める?スポーツメーカーの「アディダス」も2016年に工場をドイツに戻し、日本企業も、円安の影響、中国の人件費の高騰、の方が大きいかもしれませんが、「ダイキン、TDK、etc」も日本に戻る傾向。
住宅においても、「IOT」が普及し、電化製品は、スマートホンと連動し、住む人の様々なライフスタイルに合ったマネージメント、住宅内のエネルギーをマネージメントする仕組みが普及。
建設業全体の問題として、2016年、日本における職人の数は、約30万人。2020年頃には、職人の高齢化に伴い、約21万人になる予想データーあり。様々な職人が、各種の工事を分業し、一件の家を建築していますが、減少する職人で、多くの工事を行なう必要がある為、各種の工事間で、空き時間(日数)が発生する事が考えられ、余裕を持った工程(工事期間)を覚悟しなければならない状況になってくると思います。
2030年~
人口減少に伴い、新築住宅の着工数が4割減るというデーターもあります。(多くの多種多様な産業も減少。)
限界集落ではなく、無人の地域(区域)も発生し、税収がなく、その区域が消滅する可能性は否定できない。
2017年1月より、福岡市でも無人バス実証実験が始まるとの事。自動運転の技術が発達し、過疎地の利便性向上に期待できるが、既存の公共交通機関に代わる交通手段になるだけで、人口増加、雇用とは切り離して考える必要がある。この頃になると、道路(インフラ)の維持管理費用の目途がつかず、街中へ居住を進めるコンパクトシティー化が現実的に実行されている?
2040年~
5年?というスパンでも交換や充電が不要な容量の大きい電池が開発され、「内蔵電池付き家電」が市場に普及。家電も電池を交換すれば良いことになり、災害における心配もなくなる。「内蔵電池付き家電」が普及すれば、夜間も常時、送電する必要がない為に、送電線がなくなり、発電所の問題も解決の方向へ。不安定だと云われる自然エネルギーでも、発電できる時に「容量の大きな電池」を製造すればよい事になる。当然、住宅にも屋内配線が不要になる。
一般家庭でも土を使わないで、屋内栽培できる「野菜」生産が活発になり、食料自給率が高まる。